ツボの名前の由来
ツボは全身に分布していて、正穴と言われるものだけでもおおよそ700くらいあります。
東洋医学では「ツボ」のことを「経穴」とか「兪穴」という言い方をしています。
「経穴」は「経絡上にある穴」ということになります。
「経穴」を結んだものが「経絡」という考え方も出来ますが、「経絡」は気の通り道のイメージで「経絡」はその通り道にある気のステーション的な役割があるものです。
「兪穴」の「兪」はもともと「輸」や「腧」のこと、「輸」や「腧」の右側の作りの方の文字ですね。
「輸」はOxford Languages and Googleによると
”1.物をはこぶ。もってゆく。おくる。
2.とどける。納め入れる。心をつくして他のためにする。
3.やぶれる。まける。”
という意味があります。
気を運ぶところ言う意味で「輸」の字が使われていたのだろうと思います。
また、「腧」の方は、「人体のツボ」そのものを表していて、最初の字はこちらだったのかと思います。
タイヤのついた車で物を運ぶのが「輸」で、人体において気を運ぶのが「腧」という感じでしょうか。
「腧」は字の始まりとしては、硬いもので木や粘土に穴をあける動作を表していたようで、「穴」という漢字もひさしのところに出来た小さな穴のことを表していたようです。
「腧」は体の穴という意味だったんですね。
気の通り道のある概念としても穴のような機能はしていますし、物理的にもツボがある場所は筋肉と筋肉の間のくぼんだところにあったり、骨と骨の間にあったりするので「穴」という感じはあります。
そして、穴には水なども溜まりやすかったりしますので、ひさしの間にできる穴に雨水が入り込んでくる様子などが、人体において気が流れんこんでいると感じたツボにイメージがピッタリだったのかもしれませんね。
個人的には「癒」にも通じているのかと思っています。
「病に心を使って気を運んでなおす」行為が「癒」かな?と勝手にイメージしてみたりしています。