背中の中間層にある薄い筋肉-3-
棘肋筋の一種類
下後鋸筋は、僧帽筋、広背筋、菱形筋(大菱形筋・小菱形筋)、肩甲挙筋などの浅背筋の下にある筋肉です。
僧帽筋、広背筋、菱形筋(大菱形筋・小菱形筋)、肩甲挙筋などはその起始部と停止部から棘腕筋とも呼ばれていて、また、背中の浅いところにあるので浅背筋とも呼ばれています。
下後鋸筋は、分類的には棘肋筋と言われる筋肉で、ざっくり言うと脊椎の棘突起から始まって、肋骨に付着している筋肉で、この筋肉は広背筋の下層にある薄い筋肉です
下後鋸筋のある場所
下後鋸筋は、胸椎の12番目の棘突起から腰椎の3番目の棘突起から始まり肋骨にむかって進みます。
胸椎の12番目と言うのは胸椎の一番下の背骨になります。
この当たりは胸と腰の境目になるので胸腰椎移行部という言い方もします。
第12胸椎から下3つの腰椎の棘突起から始まって、肋骨の9番目と12番目に付着しています。
第9肋骨から第12肋骨は、第12胸椎~第3腰椎より上の方にあるため、少し斜め上に向かうように上がっています。
この筋肉が縮むと9番目の肋骨と12番目の肋骨を、第12胸椎~第3腰椎の方へ引き寄せるように働きます。
11番目と12番目の肋骨は関係ないですが、体の下の方にある肋骨の内側には横隔膜があるため、肋骨の動きによって呼吸がコントロールされています。
肋骨が下向きに動くと胸郭は狭くなるため息は吐き出されます。
このときに下後鋸筋は収縮によって下部肋骨を下の方へ引き下げて息を吐く動作を補助しています。