人体の解剖的な名称がそのままツボの名前になったもの-2-

体中にあるツボですが、いろいろな名前がついています。

その名前の由来もさまざまなのですが、解剖的な特徴がそのままになったものを多くあります。

「手関節」という意味の「腕骨」がそのまま名称になったり、側頭骨にある骨の突起ですが東洋医学では「完骨」という言い方をされていた骨のちかくにあるツボだからそのまま「完骨穴」になったりしたツボもあります。

同じ様なもので「顖会穴」というツボがあります。

これは頭にあるツボで、額の真ん中で髪の前の生え際から2寸あたりのところにあります。

2寸?ってどのくらいの長さって思いますよね?

東洋医学では、人の体のサイズ感をその人の体のパーツを基準にして決めています。

この方法を骨度法といいます。

例えば、手の指を揃えて、人差し指、中指、薬指の3本の指の幅が2寸となります。

顖会穴の場合、髪の前の生え際からその人の人差し指、中指、薬指の3本の幅くらいのところにこのツボがあります。

この位置は赤ちゃんの頃に大泉門がある場所です。

赤ちゃんは前頭骨・頭頂骨・後頭骨がつながらない状態で生まれてきて、成長とともにこの部分が癒合してきます。

前頭骨と頭頂骨の隙間は大きくてここを大泉門と言います。

その場所にあるのが顖会穴となります。

顖会穴の「顖」はそのままこの大泉門のことを表します。

また、この「顖」は「ひよめき」「おどりこ」という読み方があります。

私が太極拳を先生のもとで習っている時の話ですが、流派でやっている気功で頭のてっぺんに気を通すやり方があって、このときに先生が「ひよめきまで持っていて」という言い方をしていました。

当時もツボのことはいろいろ知っていたのですが、「顖」を「ひよめき」という言い方をするのは知らず、指導してもらっていたので場所はわかっていたのですが言葉を聞くたびに「ひよめきって何だろう?」って思っていたことを思い出しました。