人体の解剖的な名称がそのままツボの名前になったもの-3-

人体には数百ものツボが存在し、それぞれのツボには独自の名称があります。

最近、このブログでは「解剖学的な名称がそのままツボの名前になったもの」を紹介しています。その中の1つが「肩髃穴」です。

東洋医学の解剖学の名称がそのままツボの名前に

「解剖学的な名称がそのまま」というのは、かつて東洋医学において使用されていた解剖学的な用語を指します。

これらの用語は、西洋医学が主流になる以前に、古代中国や日本で一般的に使用されていました。

たとえば、側頭骨(頭蓋骨の横に位置する骨)には乳様突起という突起があります。

東洋医学では、この突起を「完骨」と呼んでいました。

この「完骨」という名称は、後にそのままツボの名称に転用され、「完骨穴」というツボが乳様突起のそばに位置することになります。

肩髃穴

「完骨穴」と同様に人体の解剖学的な名称がそのままツボの名前になったもの一例として、「肩髃穴」があります。

肩髃穴は、肩にあるツボであり、具体的には肩甲骨と上腕骨の境目に位置します。

つまり、肩の関節部分に近い場所にあります。

肩関節は、肩甲骨の外側に位置する関節窩と上腕骨が結合したもので、その上には三角筋があります。

肩髃穴は、この三角筋の上に位置します。

 

 

「肩髃穴」の名前の由来である「髃」は、肩甲骨を指します。

肩の周りには「肩髃穴」以外にもツボが多く存在するのですが、なぜこのツボだけが「肩甲骨」を表す「髃」が使われるのか、という疑問が生じますが、調べると、「髃」は特に肩甲骨の一部である肩峰を表す場合もあることがわかります。

肩峰は肩甲骨の後面から外側に伸びており、肩先とも呼ばれます。

肩髃穴は肩の周囲に存在する多くのツボの中でも特に重要なものです。

肩関節周囲にその構造上、多くの関節を支える筋肉も集中しており、肩の痛みやこりの原因となることがあります。

そのため肩髃穴を刺激することで、肩関節の動きを改善し、肩の症状の緩和に役立ちます。

五十肩の施術のときにもよく使用されるツボです。

もし五十肩などの肩のトラブルでお困りなら、お気軽にご相談ください。