足首と膝のリハビリテーション
正しい歩行と足首のケアの重要性
足の内反(うち返し)が強くて安定して立てない方がいます。もともと膝を痛めていて、その影響で両足に均等に重心をかけることができません。
膝を痛めたのは、20年以上前のことです。膝のケガのため、歩くときもかばったように歩いています。長年この状態が続いているため、足の重心のかけ方が悪く、健側の足に重心をかけることが多くなっています。
また、膝のケガの影響で足首も緊張が強く、横たわっているときに足首の内反が強く出ていました。内反とは、足裏が内側に向いた状態のことです。
膝の内反の結果、足首が内側に向いた方向で固まっているため、立って足をつくと足首が外側に向いてしまいます。
この方の足を確認すると、足首の前脛骨筋が硬くなっており、前脛骨筋の腱も硬く、圧痛が出ていました。特に下伸筋帯のあたりで強い圧痛が出ていました。
少し痛いかもしれませんが、この部分をしっかりほぐしていきました。手法は指先による揉法を使います。周辺を解したあと、立ってもらいました。
前脛骨筋は足を内側に引っ張る作用のある筋肉ですが、この筋をほぐすことで足が動きやすくなり、足裏がしっかり地面に向き、本人も足がしっかり地面に接して安定感が増していることを実感されました。
足がしっかり地面に接地することで、膝も安定してきます。膝が悪い方は膝だけでなく、足首のバランスも気にしてみてください。
歩行の安定性向上へ
足首の前脛骨筋のほぐしを行いましたが、その後は、膝や足首の周囲の筋肉を柔軟にするストレッチやエクササイズも行いました。これにより、筋肉のバランスが整い、歩行や立ち上がりの安定性が向上しました。
さらに、日常生活での姿勢や動作についてのアドバイスも行いました。正しい姿勢や歩行方法を意識することで、膝や足首への負担を軽減し、将来のケガ予防にも役立ちます。
今後も定期的なセッションや自宅でのストレッチ・エクササイズを継続していただくことで、より良い健康状態を維持し、日常生活の質を向上させることができます。