背中の中間層の筋肉_棘肋筋の働きと役割

棘肋筋

人の身体には多くの筋肉があり、背中にも折り重なるようにさまざまな筋肉が存在しています。

以前ブログで書いた、僧帽筋、広背筋、菱形筋(大菱形筋・小菱形筋)、肩甲挙筋などの筋肉は浅背筋と言って背中の中でも表面の方にある浅層の筋肉です。

僧帽筋、広背筋、菱形筋(大菱形筋・小菱形筋)、肩甲挙筋などより、さらに下の層に棘肋筋と言われる筋肉があります。

棘肋筋は「棘」と「肋」を繋いている筋肉の総称です。

「棘」とは背骨(胸椎や腰椎)の棘突起のこと。

棘突起は背骨の後ろ部分で背中を触るとゴツゴツとした感じがするところです。

「肋」は肋骨のことです。

肋骨は背骨の胸椎にあたるところから横の方へ伸びて肺や心臓をほぼしている骨です。

この棘突起から始まって、肋骨に付着している筋肉がいくつかあるのですがこれらをまとめて棘肋筋と言います。

ちなみに、僧帽筋、広背筋、菱形筋(大菱形筋・小菱形筋)、肩甲挙筋などの浅背筋は棘腕筋という分類がされています。

棘腕筋というのは、棘突起から「腕」に付く筋肉のことです。

この時の腕は上腕骨だけでなくて肩甲骨も含みます。

肩甲骨は背中にありますが、機能としては腕を支えるものなので、「腕」に含まれています。

肩甲骨と鎖骨は上肢(腕)を支えている土台なので上肢帯という言い方をすることもあります。

棘肋筋の種類

上後鋸筋と下後鋸筋

浅背筋の下側にある棘肋筋には上後鋸筋と下後鋸筋の2つがあります。

上後鋸筋は頸椎の7番から胸椎の3番の棘突起から始まって第2から第5までの肋骨についています。

筋肉の始まるところを起始といいます。

上後鋸筋の起始にあたる第7頚椎は、頸椎の中でも一番下の骨です。

この骨のすぐ下から胸椎が始まり、第1胸椎、第2胸椎、第3胸椎と並んでいます。

上後鋸筋はこの4つの脊椎から始まって、2番目の肋骨から5番目目の肋骨と4つの肋骨にくっついています。

筋肉は基本的に縮むこと(収縮)することで骨を動かしますが、この上後鋸筋は肋骨から脊椎の方へ向かって縮むので、肋骨が上の方へ向かって引き上げられるような動きとなります。

肋骨を上に引き上げる筋肉のため、吸気(息を吸う動作)で働いています。